床下で泣き続ける仔猫を救出したのが8月31日。
9月朔日に両目が開いた。

毎日、ミルクを与える日々が始まった。
わたしは猫など飼ったことがない。

仔猫は日々育っていく。
だが、わたしの疲労は溜まっていく。
里親を探した。
だが、仔猫への情が心の中で芽生えていく。

そして、里親が見つかった。
ネットで募集したのだが、会ってみると、私の母校の後輩であり、わたしが2度の手術を受けた病院の医師夫婦だった。縁は異なものである。
わたしが仔猫を譲る条件は、
仔猫が寝ていたダンボールごと引き取ってくれ、ということだった。
仔猫のいないダンボールなどとても見られない。
わたしが仔猫の世話をしたのは16日間。
しかし、その間に情は膨れ上がっていた。

口に少しミルクをつけた彼女の姿である。
また、どこかで、会おうな。