今日はただの日記。

寒い。
骨から寒い。
こんなに寒いのに、今月は高校の同窓会があるという。
今まで一度も出席したことがないのだけれど、「同窓会は今回が最後だ」というので、顔を出そうと思っている。どうしても会いたい女性がいる。だから同窓会当日までこの身命が保ってくれることを願っている。

高校は愉しかった。
黒いジーンズの上に学生服を着て、家を出る。遅刻しそうになると、途中で喫茶店に立ち寄った。喫茶店の裏口には洗濯機があり、その中に制服を放りこみ、裏口から店に入りカウンターに座る。モーニングサービスはトーストとゆで卵。少し濃いコーヒーを一口啜り、煙草に火をつける。マスターに迷惑をかけるといけないので、制服を着たまま店内で煙草を吸うなどということは決してしなかった。学校へ行くか、休んでしまうか、考えるでもなく、茫洋と煙草を吸い、ゆで卵に塩を振りかけて食べる。

モーニングを食べて、店の掛け時計を見る。10時が近づいていると、そのまま一度帰宅し上着を着替えて、パチンコ屋に行く。わたしは、ハカマにチューリップが付いただけの単純な台を好んで打った。パチンコは中学3年の時から始めた。煙草は小学校だ。あの頃のパチンコは腕で勝てた。正宗ゲージだ。もっとも月間トータルでプラスを続けるためには少し試行錯誤の期間が必要だったけれど。

麻雀も毎日のように打った。いくつか年上の社会人と打つことが多かった。セールスマンや電電公社の職員、喫茶店のママ、競輪選手、職を持たない遊び人・・。たくさんの人と牌を闘わせた。

家に帰ると、ウィスキーをちびりちびり飲みながら、本を読んだり、ノートに色々なことを書き綴ったりした。ベッドの下はウィスキーの空瓶が何十本も転がっていた。

そんな日常だったので、世間一般に言う不良の生徒だったが、とはいえ、わたしは走ることが好きだった。一人で黙々と走っていると内なる自分と会話ができる。小高い山を登り、枯れ草の上に寝転び、木漏れ日を見あげる。木漏れ日はわたしだった。なんなら目に映るものは全てわたしだった。

懐古趣味ではなく、あの頃に時を同じく過ごした人々とも会ってみたい。

ここからは後日談。
わたしは同窓会に出席することができた。会いたかった女性ともすぐに出会うことができた。頑張って生きてきてよかった。しかしながら、久しぶりに大勢の人と会って話をしたので、交感神経が上がりすぎて、その後疲れがどっと出てしまった。

「初めて出席した同窓会」への3件のフィードバック

  1. いつか「どうしても会いたかった女性」のこと、
    少し、聞かせて下さいな。

  2. 中学生の頃、好きな女の子が一人いた。
    ある日、彼女から、プール脇の人目に付かない場所に呼び出されたのです。
    放課後だったか、そこに行くと、彼女ともう一人別の女の子が待っていて、二人がわたしにチョコをくれたのです。
    わたしはバレンタインという儀式のようなものがあることをその時初めて知った。
    わたしは彼女のことが好きだったけど、二人の女の子からチョコを同時にもらい、その上で一人を選択することはできなかった。
    選択するということは、選択しなかった女の子を傷つけることになってしまう。なおかつ、彼女たちの友情にわだかまりを作ってしまいかねない。
    だから、わたしは、どちらにも、何の返事もしなかった。

    でも、彼女のことは、ずっと好きだった。
    とても永い年月が経ったけれど、やっと会えた。色々なことを話せた。
    あの時の自分の心情も伝えることができた。

    そして、話す中で、わたしは彼女の中に古くて堅い塊のようなものがあることを感じた。
    だから、今度は、彼女が抱えてきた塊のようなものを、わたしが木っ端みじんに砕いて上げたいと思っています。

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