たどたどしく歩いてきた女へ。男に愛されたい女へ。美しくならんかなの女へ。いつまで同じところで佇んでいる。人生は突然に終わってしまうものだ。その 真実をあざ笑うか。その真実を阿呆が天空を見上げるがごとくに大口を開いてただ待つか。その真実を老いさらばえた似非仏教徒のごとくに寝て待つか。

自立し たい女へ。愛したい女へ。感じたい女へ。自分を律する心もて男を愛するがいい。己に厳しくあれ。常に険しい道を選べ。生殖のために言い寄る男を薙ぎ払え。 愛したければ。悩むがいい。反芻するがいい。毎日自分の裸体を鏡に向けてさらけ出し、乳房をわしづかみにするがいい。

されば秘す。ならば秘す。秘すれば凛 とした心と発光するかの脊椎が花を開かせる。愛することは律することと知らず、巣を空しくした女郎蜘蛛の数知れず。美しくあれ、さらに美しくあれ、律することを 知る男は美をも理解するだろう。

感性を解き放て。倫理に背を向けているくせに、知らず倫理で三段論法を展開してしまう怠惰な知性を呪うがいい。感性はエネルギー を生み出し、行動は時を止めない。男にいつまで待てという?男を絶望の縁へと道案内するか。その道なら知っている。男が歩いてきた道だからだ。振り返れば そこにある。

目を伏せる女へ。愛を忘れた女へ。千人の男達が待っている。安きに流れるな。謎を知りたければ太古魚に訊け。不思議なことはない。全てが金色 の連鎖によって成立している。未来を知りたければ、這いつくばれ。這いつくばりながら進むがいい。未来を言い当てようとして何万羽の烏が風に散ったか。唇 を噛め。厭うな。生きることとは愛することである。愛するとは美しくなることである。

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