今年も一番嫌な季節がやってきた。
よさこい祭りである。

天候が心配されたきょう10日午前、高知市では太陽が顔を覗かせました。そして…本番スタート。4年ぶりの通常開催となる今年のよさこい祭りには157チーム、1万4千人の踊り子が参加、演舞を繰り広げています。

踊り子
「めっちゃ楽しかったです」
「やるからには賞を取りたいなという気持ちはありますけどね、一番は楽しんでやらせていただこうと思っています」
踊り子たちの熱気に観客のボルテージも上がりお城下はよさこいムード一色に染まっています。

引用元 https://onl.sc/ikVnxFn



よさこい祭りは、昭和29年から始まり、今に至っている。
ここからはわたしの記憶での話になるので、認識に多少のズレがあるかもしれない。

当初、よさこい祭りとは、商店街の活性化を目指し、各商店街が踊り子隊を結成して、市内何カ所かの商店街と追手筋で踊りを披露するところから始まった。そして、四国電力や各銀行、市役所などが参加して、大きくなっていった。昭和の頃は、高知城を中心とした各商店街を、踊り子さんたちが徒歩で移動し、各商店街は踊り子さんたちに冷たい飲み物などを無償提供していた。言わば、商店街と踊り子さんたちの距離がとても近かったという印象がある。

ところが、昨今のよさこいは変貌しすぎてしまった。

1.地方車と呼ばれる大型車が流す音楽が大音量であり、特に低周波域を強調するので、音圧で気分が悪くなる。

2.昭和の時代には栄えていた商店街が、今はシャッター商店街と化し、店舗の2階ではお年寄りが暮らしていたりするが、そんなことはお構いなしに、大音響の踊り子隊が踊る。

3.競演場によっては、点字ブロックの上に桟敷を作っていたりするので、視覚障害者の方や車椅子の方、その他障害を抱える方は歩道を通行することもできない。市民もまた然りで、商店街の狭い歩道に、自分の椅子を置き、場所取りをしていたりする。

4.今や競演場は市内17箇所にものぼり、踊り子隊は徒歩で競演場を渡り歩くことができない。そこで、大型バスを借り切って移動することになるのだが、大型バスは踊り子さんたちが踊っている間はどこかで停車して待つということになる。これが交通の妨げになる。市内の道路は自家用車では通常通りには走れない。

そんなこんなで、よさこいの間は、高知市からどこか別の場所に避難するという人も多い。

つまり、今のよさこいは、商店街の活性化とか、市民に元気をお裾分けするとか、そういうコンセプトとは大きくかけ離れてしまい、踊り子さんたちだけが楽しみ、大音響で市内を闊歩するよさこいに成り下がってしまっているということだ。

もうやめたらどうか。

踊り子さんの中には暑さでやられて、救急病院のお世話になる人もいる。そんなとき、自宅で具合が悪くなったお年寄りが救急車を呼んでも、なかなか受け入れ可能な病院が見つからないという事態が発生する。

もう「よさこい」は、やめたらどうか。

数年前、わたしは市の観光課に意見申し上げた。観光課の職員は商工会議所の職員3人を連れてうちにやってきた。1時間を大きく越えて、わたしは、市民としての意見を申し上げた。職員たちはノートにメモをとりながら聞いていた。わたしの意見は、いくらかは取り入れられた。しかし、競演場の数を減らすには至っていない。

今のよさこい祭りのルールおよび注意事項はこちら。
http://www.cciweb.or.jp/kochi/yosakoiweb/entry/2023daihyousyakai1.pdf



今年も家から一歩も出ず、あと数時間で街中のよさこいが終わる。
明日から、静かな太陽が、じりじりと夏を白くする日が続くか。