僕はある日夢を見た。遠い遠い日の夢だ。
ある日、アジアの国で肺炎患者が複数発生した。真っ先にニュースになったのは「抗生物質が効かない」ということだった。そして、患者さんを検査するとコロナウィルスがでてきた。このウィルスはSARS-CoVというウイルスに似ていたので、SARS-CoV-2と名前が付けられた。でも、WHOという、蛇とフラットアースがくっついたような旗を揚げている機関は、SARS-CoV-2による病気をCOVID-19として疾病名で発表した。この病気は漢字で書くと、重症急性呼吸器症候群という難しい名前だった。僕は蛇が大嫌いなんだ。
やがて、そのウイルスは僕の街にもやってきた。でも、SARS-CoV2が重症急性呼吸器症候群を発生させる証拠はどこにもなかった。肺炎で死亡した患者の病巣からSARS-CoV2が発見されたという報告もされない。「感染していた」とは言うけどね。 亡くなった人達は、家族が触れることも許されないまま火葬され、埋葬された。異様でどこか怖い光景だった。
僕はSARS-CoV2の存在さえも疑ったんだ。でも、SARS-CoV2がインフルエンザだったとしたら、真っ先に僕ら子供たちの中で流行するんじゃないかな。このことを考えると、色々な可能性が出てきてしまい、僕の頭の中はグジャグジャになっちゃったんだ。
でも、世界中のテレビは「重症急性呼吸器症候群の原因はSARS-CoV2である」と報道した。朝から晩まで。
僕の呼吸は日に日に浅くなっていった。突然、学校が休みになった。僕は歩美ちゃんに会いたくて仕方がなかったのに。
僕の街ではPCR検査もなかなか受けられなかった。ついでに全国民のPCR検査など決して行わない。そのPCR検査もSARS-CoV2以外のウイルスにも陽性がでてしまうらしい。インフルエンザウイルスその他の菌にも反応するって。PCR検査はSARS-CoV2についての真実を表すものではなかったんだ。もしも、全国民にPCR検査をすれば、国民の半数以上が陽性となる可能性があったんだろうな。
そして、僕は、ひとつ寝返りを打った。
トーマス・コーエンという博士は
「生態系が新たな電磁場にさらされる時はいつでも被毒が起こり、一部は破壊され、残りは仮死状態になるのです。」と言ってた。
千島博士は
「環境の激変などの影響をうけたとき、病原体がからだのなかに自然発生し、伝染病と言われているものが同時多発的にひろがる。」と言った。
微生物は外気から侵入すると言ったパスツールという昔の人でさえ、遺言で、
「病原体はなんでもない。すなわち、地球がすべてである。」と言ったらしい。
ここで「地球」と訳されているフランス語の単語は「teriain 」。この言葉は「環境」という意味も含んでいると、お母さんが教えてくれた。
じゃあ、SARS-CoV2が重症急性呼吸器症候群の主犯でないとしたら、アジアの国では何か環境の変化を起こすようなことが行われていたのだろうか?
僕はコナンのように考えた。
長く長く考え続けた僕は、5Gによる電磁場の急激な変化が人体に悪影響を与えたのではないかと感じた。そのことを隠すために、重症急性呼吸器症候群の患者さんはSARS-CoV2で亡くなったと発表したんじゃないかな。
僕がそのことに気付いた時には、すでに、僕の街から鳥がいなくなっていた。そして、これはあの「黒ずくめの組織」が仕組んだことではないかと思ったんだ。
じゃあ、なぜ5Gなどというものが必要なんだろう。5Gは現在の4Gと比較して、100倍以上ものスピードでテータを送ることができるというけど、コナンのように考えると、100倍以上のスピードで僕の情報を収集することができるということでもある。僕たちにこんなものは必要ない。コナンはそう考えたんだ。いや、僕もそう考えたんだ。
5Gは地球環境を大きく変えた。人間の体は電気信号で動いている。これは学校で習ったことだ。強い電磁波が人体に影響を与えるのは当然だ。強い電磁波は赤血球に影響を与えるだろう。このことは千島博士の本で読んだことがある。そして、赤血球や白血球に異常をもたらし、肺にバクテリアを発生させる。僕はそんなふうに考えたけれど、残念ながら、病院の偉い先生たちは亡くなった人達の解剖をしてくれないので、これも僕の憶測でしかなかった。
でもね、なぜか、僕の街の死亡者(感染者じゃなく、死亡者だよ)は少なかった。ひとつの憶測として、僕の街の人は福島原発事故による放射線を浴びた時に、身体が新たな免疫機能を作り出したからではないのかと、僕は考えたんだ。でも、自信はなかった。
そして、僕はまたひとつ寝返りを打った。
さて、その後、ワクチンの開発が行われた。SARS-CoV2が人工的に電磁波などの影響によって作り出されたものであるとしたら、ワクチンはその時すでに存在していることだろうと思ったけれど、ワクチンが短期間でできるということは科学と一致しないからみんながおかしがるよね。そして、そのワクチンの中には何かが混入されていた。しかし、SARS-CoV2の恐怖をマスコミに洗脳されている人々は、このワクチンに飛びついたんだ。
我先に接種しようと、病院には列ができた。小さな犬まで列に並んでいた。
すでに大人たちは行き先を見失った子羊みたいだと僕は思った。僕は、迷える子羊はたった一頭の犬で、柵の中にまで誘導されちゃう、というテレビを見たことがあるんだ。
もしも、ワクチンにマイクロチップが混入されていて、その情報を5Gの猛烈なスピードで収集し、世界中の人々を管理する世界ができたとしたら・・。マイクロチップは、まるで牧場で飼育される子羊の耳にぶら下げられたナンバーカードみたいだ。
僕はワクチンを射つのが怖かった。だからワクチンを射たなかった。注射も怖かったし、それを射つ白衣の男の人の顔はもっと怖かった。街の人はそんな僕を白い目で見たが、僕はスケボーに乗って家まで帰った。
やがて、町内の回覧板は、僕の家には回ってこなくなった。
第六感が浮かんだ。これらの出来事を仕組んだのが「黒ずくめの組織」なのなら、ボスはあの国にいる。
「阿笠博士が危ない! 」
そう思った途端に目が覚めた。
パジャマが汗で濡れていた。歩美ちゃんは僕の夢には出てこなかった。この夢のことを歩美ちゃんに話す時には、どこかに登場させないといけないな、と僕は女心というものを思いやったんだ。
そうして、僕がベッドから抜け出した時に思ったのは、もうこれ以上電磁波で地球環境を汚し続けると、地球上の生物の数は大きく減っちゃうんだろうな、ということだった。