彷徨

彷徨を聴く

深夜に友達と二人で狭い道を歩いていると、向こうから長髪の薄汚れた男が歩いてきた。右手を背中の後ろに隠すようにして、こちらの様子を上目遣いに見ている。殺気というのは分かるものだ。隣の友人もその男が包丁を背中に隠していることを直観した。そして、「おまえ、そんな光り物持たんと、喧嘩もできんか!!」と一喝した。